「明るいうつ病生活」ブログの紹介文には、うつ病歴22年、と書いています。
この“22年”というのは、22年前、店長をしていた洋服屋さんが店舗閉鎖になって、仕事を辞めた時、まるで抜け殻の様になって何をする気力もなく、人にあったり話をする気にもなれず、数か月閉じ籠っていた頃からを数えています。
私の人生の前半は、結構波乱万丈で、トラウマがいくつもあったりします。
特に、子供の頃に受けた、いくつものトラウマは、今思い出すのも辛いくらいで、今思えば当時から“うつ病”の症状の様なものが色々出ていたので、正確にはいつからうつ病なのかはわかりません。
ようやく病院に通い始めてからも、10数年たちます。
最初は、病院に通えばすぐに治るものだと思っていました。
そのうち、「本当に治るのだろうか」と不安になったりもしました。
病院の診察室では、毎日どんな生活をしているのかを聞かれるだけで、特に症状について聞かれることはありません。
私も、自分の事を話すのが苦手で、聞かれた事に答えるだけになってしまうので、なおさら症状の説明などの話は出来ません。
「これでいいのだろうか」という不安が起こります。
でも、この10数年、最初は焦りと不安と無気力と自己否定の塊だったのが、少しずつ前を向いて「今の自分に出来る事をしよう」と、パソコンの学校に行って資格を取って、そして今、その資格を活かしてA型支援施設でPC作業をしています。
それは、もちろん周りで支えてくれている人たちのおかげですが、病院の先生が経過を常に観察してくれている事もあると思います。
先生は、毎日の何気ない日常をつつがなく過ごしているのか、それとも病気の症状に飲まれて悪い方向へと向かっているのか、きちんと診てくれていたんだと今、改めて思っています。
何故、私が今こんな事を書いたかと言うと、うつ病やパニック障害など、心の病気になってしまった時、とても不安になり、なかなか治らない事に焦りを感じて次々に色んな病院を受診して、結果、症状があまりよくない状態のままで長く過ごしてしまう人もいるだろうと思ったからです。
不安に駆られてあちこち受診していたら、経過観察はしてもらえません。
「心の病気」とは言われていても、実際には「脳の病気」です。
気の持ち様では病気は治りません。
しかし、不安に駆られてあちこち受診しても治るものではないと思います。
「薬を飲んで治りました」
私ははじめ、病院をこんな風に捉えてしまっていたので、「病院を受診して、薬も飲んでいるのに何故いつまでも治らないのか」と不安になっていました。
けれど、うつ病は「脳の病気」とは言っても、CTスキャンやMRI画像に映るようなものではありません。
完璧に元に戻る事ばかりを考えているうちは、「病気が治らない」と捉えてしまいますが、長い目で見ると、少しずつ前向きに頑張る事が出来る様になっています。
「いつか完璧に病気が治る事」を目標にしていると、不安や焦りが募るので、「今の私はこんな事が出来るようになったから、次はこんな事を目指そう」という気持ちでいる様にした方が、気持ちも楽になりました。
いつかまた、気持ちや症状が沈む事もあるかもしれませんが、今の私は“そこから抜け出せる”事を知っているので、絶望せずに済みそうです。
コメント